第33章

零崎折識は星野煌の背中を追いながら、彼が整然と現場に指示を出す様子を見つめていた。

彼と知り合って随分経つが、これほど真剣な姿を見るのは初めてかもしれない。

「働く男はかっこいい」という言葉の意味が、零崎折識にも少しわかった気がした。

突然、星野煌が振り返り、零崎折識に言いつける。

「横で待っていろ」

あまりに唐突で、零崎折識は一瞬反応できなかった。

だが、星野煌が炎天下へと歩き出すのを見て、ようやくその意図を理解する。

彼の言葉に従い、少し離れた日陰へと移動して佇む。

星野煌の気遣いは実に細やかで、零崎折識は胸に温かいものを感じた。

彼の方へ視線を向けたその時、ポケットの...

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