第十七章

エズラ

ここ一週間、気分はずっと最悪だった。アラーナに連絡を絶たれているせいだ。最初の数日は平気だった。あっちが損するだけだ、気になんてならない、と自分に言い聞かせようとした。だが、しばらくすると、どうでもいいはずのことが、どうしようもなく気になっている自分に気づいた。彼女のアパートに押しかけるなんて真似はしまいと、あらゆる理屈で自分を説得したはずなのに、どういうわけか、俺は今、彼女の家へと向かっている。きっとヤバいストーカーだと思われるだろう。だが、自分を抑えられない。何かが俺を彼女へと引き寄せるのだ。説明のつかない力に。

俺たちの関係は完全に肉体的なものだと思っていた。彼女の隅から隅ま...

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