第二十章

アラナ

目が覚め、無意識にエズラを探して手を伸ばす。でも、彼はそこにいなかった。ベッドの隣のスペースは、ひんやりと冷たく、空っぽだった。私は身を起こして、あたりを見回す。彼のいた気配がないことに気づく。持ち物はすべてなくなり、彼がここにいたことを示すものは何も残されていなかった。ため息をつき、乱れた髪に指を通す。行ってしまったんだ。驚くべきことじゃない。ただ、さよならを言う礼儀さえ持ち合わせていなかったことにはがっかりした。

少しの間、周りの景色をじっくりと眺め、どうして自分がこんな場所にいるのだろうと思う。いや、どうしてかは分かっている。でも、こんな場所に身を置くことになるな...

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