第三十一章

アラナ

美味しい朝食の後、エズラが食器を中に運んでいる。手伝おうと申し出たんだけど、断られてしまった。どうやら普段は料理や掃除をしてくれるスタッフがいるらしいけれど、彼らに一週間の有給休暇を取らせたそうだ。ええ、インフルエンザというのは嘘だけど、それでもお給料を払ってあげるなんて、優しい人だわ。

椅子から立ち上がり、滝のほうへ近づく。写真を何枚か撮るためだ。もう、この滝に夢中なんだから! 自分だけの滝があったらどんなに素敵だろう。夢のまた夢だけど。滝を眺めていると、水が落ちる音を聞いていると、なんだか心が安らぐ。何枚か撮ってから、携帯を置いた。

視線がメインのスイミングプールへと...

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