第五十一章

エズラ

さっき仕事中にあいつが俺にしてくれたことの仕返しをしてやろうと、息巻いてホテルに飛び込んだ。だが、俺はその場で足を止める。ホテルの部屋は薄暗く、キャンドルが灯され、BGMに音楽が流れていた。

「アラーナ?」

呼びかけると、声は聞こえるのに姿が見えない。

「おかえりなさい、ハンサムさん」

辺りを見回すと、ようやくベッドの足元に座っている彼女を見つけた。ゆっくりと立ち上がると、彼女は俺の方へゆったりと歩み寄ってくる。その時、彼女の姿がはっきりと目に入った。ゴージャスな身体を包んでいるのは、赤いサテンのベビードール。丈は太ももの半ばまでで、片側にはスリットが入り、その...

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