第五十七章

＊＊＊アラナ＊＊＊

会場の片付けをしている。イベントが終わって一時間、ほとんどのゲストはもう帰ってしまった。でも、バーカウンターにはまだ何人か残ってお酒を飲んでいる人たちがいる。私ももうすぐ終わるはず。だといいんだけど。今夜はずっと働きっぱなしだったから、くたくただ。家に帰って、エズラに会って、眠ること以外、何も考えられない。彼とお父さんの間に何があったのかは知らないけど、とにかく夜の途中で帰ってしまうほど、彼を動揺させる何かがあったんだろう。エズラの両親とベラは、ずっと避けるようにしてきた。幸い、彼らのテーブルに戻らなければならなかったのは一度だけだった。

みんなに背を向けて、テーブ...