第七十八章

アラーナ

私はエディンバラ城の外に立っている。ここから見下ろす街の景色は、信じられないほど素晴らしい。城内のツアーはもう終えた。この後の予定は、ランチと軽く一杯。でもエズラは今、携帯でベラと話している。

誰のことも何一つ心配せず、二人きりで過ごす時間は最高だった。私たちは、ここにいる他のカップルと何ら変わりない。今夜、彼が妊娠中のフィアンセの元へ帰ってしまうなんて嘘だと、自分に言い聞かせてきた。ベラが電話してくるまで、彼女のことは忘れていたのに。後でお別れを言うときのことを考えると、胸が張り裂けそうでたまらない。

その考えにため息をつき、目の前に広がる絶景に意識を集中させて気を紛らわそう...

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