第八十二章

アラーナ

エズラと一緒に空港に来たことを、少し後悔している。彼と一緒にいたくないからじゃない。彼が出発して飛行機に向かう時間が近づくほど、その瞬間がたまらなく怖くなるからだ。もうお別れなんて耐えられない、彼とは。次にいつ会えるのか、見当もつかない。そもそも、もう一度会えるのかどうかさえ。こんなひどい考えが浮かんでしまうなんて、でもどうしようもないのだ。赤ちゃんが生まれたら、彼とベラの関係は変わるかもしれない。二人は家族になることを決めるかもしれない。この考えをエズラに伝えるつもりはない。彼を動揺させてしまうだろうし、気まずいままお別れしたくはないから。

私たちは窓際の床に座っている...

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