第八十六章

アラーナ

エズラとビデオ通話を始めてもう二時間になる。どちらも、さよならを言うのを急いではいない。もう夜遅いけれど、そんなことはどうでもいい。朝方までだって、彼と喜んで話し続けるだろう。一体何を話してきたのかさえ覚えていないけれど、時間だけが過ぎていく。

「なあ、その綺麗な瞳の君に聞きたいんだけど……俺のTシャツの下、何か着てる?」彼は眉を上げて尋ねてくる。

「着てるかもしれないし、着てないかもしれないわ」この先どうなるか、なんとなく察しがつく。でも、嫌じゃない。今までは性的な話は一切してこなかった。彼と電話でエッチなことをしたことはあるけれど、ビデオ越しは初めてだ。

「アラー...

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