第八十九章

エレナ

ソファに座り直し、エズラからのギフトバッグを手に取る。中に何が入っているのか、見当もつかない。開けてみると、封筒と小さな箱が一つずつ入っていた。まず封筒を取り出し、慎重に封を切る。中から便箋を抜き出した。エズラの筆跡を見て、思わず微笑む。男性にしてはとても綺麗な字だ。

輝く瞳の君へ

本当は僕が直接これを届けられたらよかったんだけど、それが無理だったから、代わりにルーシーに会えたら喜んでくれるだろうって思ったんだ。君が彼女に会いたくてたまらないのは知っているからね。

いつか結婚してほしいと言ったこと、あれは本気だよ。この箱の中身が、その証明になることを願っている、...

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