第11章 二人っきりの男女(2)

「何をぼーっとしてるの?早く入ってきなさいよ!」

水原玲子は葉山天が彼女の胸元を見つめているのに気づき、少し顔を赤らめながら声を上げた。葉山天は常人を遥かに超える聴力を持っており、彼女の心臓の鼓動が速くなるのを聞き取ることができた。おそらく水原玲子は今、少し緊張しながらも興奮しているのだろう。女性は自分が嫌いではない男性に見つめられると嬉しく感じるものだ。たとえ少し隠すべき部分を見られたとしても不快には思わないものだ。

しかし、もし女性がある男性を嫌っているなら、一目見ただけで白い目で見られることになるだろう。

実は水原玲子と旦那さんは愛情のために結婚したわけではなく、一時の衝動による...

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