第15章 狂ったように絡み合う(4)

人生には多くの遺憾がある。間違った時に正しい人に出会うこと、正しい時に間違った人に出会うこと、それらはその一つだ。水原玲子はまさにそうだった。心の中では別の男性を好きでいながら、好きでもない男と結婚してしまった。不倫は当然の成り行きだった。すべては自然な流れで、彼女自身も、水原玲子である自分がいつか旦那さんに隠れて別の男性と熱烈に絡み合い、別の男性の股の下で悦びを受け入れることになるとは思ってもいなかった。それも自分から積極的に。

水原玲子の心には少しばかりの罪悪感はあったものの、自分のこの行動を後悔することは全くなかった。愛する人と体を重ねることは、ほとんどの女性の心の中にある願望だ。水...

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