第298章 敵の来訪

バタンッ、と荒々しい音を立てて葉山天が出ていく。ベッドに一糸まとわぬ姿で横たわる柳原美乃は、その背中を冷ややかに見送った。胸中には複雑な思いが渦巻いている。あの野郎、あろうことか私をあのお嬢様と同列に語るとは。彼にまだ利用価値がなければ、この屈辱、到底飲み込めるものではない。

美乃はしばらく身じろぎもせず横たわっていたが、やがて緩慢な動作で起き上がると、バスルームへと向かった。熱いシャワーを浴び、新しいバスタオルを体に巻き付ける。曇った鏡を拭い、そこに映る自分自身に向けて、美乃は自嘲気味な笑みを浮かべた。

「あいつ、本当に変わってるわね」

柳原美乃という女は千変万化とまではいかないが、...

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