第302章 専属看護師(4)

綾瀬玲奈は地下室から上がってくると、室内を見渡した。床に血痕こそあるものの、家具などが破壊された形跡はない。

「何突っ立ってるのよ。早く部屋に行きなさい。手当てしてあげるから」

綾瀬玲奈の口調には、葉山天を心配する愛おしさと、無茶をしたことへの咎めが入り混じっていた。

東野月がくすりと笑う。

「玲奈姉、あんなのあの人にとっては掠り傷みたいなもんよ!」

月は玲奈を安心させようとしたのだが、葉山天はその言葉を別の意味に曲解したらしい。彼特有の意地悪な笑みを浮かべる。

「へえ、なんで知ってるんだ?」

その揶揄を含んだ言葉に、東野月の頬がっと赤らむ。二人きりならポカポカと粉拳を振るって...

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