第306章 名声が轟く(1)

原田亜希子はこれまで、数多くの美容外科クリニックに足を運び、カウンセリングを受けてきた。しかし、どこへ行っても返ってくる答えは「手術による豊胸しか方法がない」というものばかり。体にメスを入れるというリスクを負ってまで、理想のプロポーションを手に入れるべきか――彼女は失望し、躊躇していた。

そんな折、偶然目にしたのが葉山天のクリニックだった。「漢方医学による物理療法」という謳い文句に、彼女は藁にもすがる思いで訪れたのだ。そして今、葉山天から力強い肯定的な回答を得て、彼女は一縷の望みを賭ける決心をした。

亜希子が会計に向かっている隙を見て、柳原文圭が院長室へと入ってきた。彼は第一病院時代の葉...

ログインして続きを読む