第311章 久保家の次女様

葉山天にとって、久保由愛とはこれが初対面だった。だが、彼女の悲痛な様子を目の当たりにし、憐憫の情を抱かずにはいられなかった。

これ以上酒を飲ませるわけにはいかない――そう判断した彼は、手を上げると、彼女の胸の真ん中を指先でトン、と突いた。

意識が朦朧としていた久保由愛の目には、葉山天の手が自分の胸に伸びてくる光景だけが映った。

(この人、どさくさに紛れて私の体を……!?)

葉山天がこれ幸いと痴漢行為に及んだのだと勘違いした彼女は、怒りを露わにしようとした瞬間、目の前が真っ暗になり、そのままその場に崩れ落ちた。

久保由愛の体がぐらりと傾き、床に倒れそうになる。葉山天は慌てて彼女の腰に...

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