第314章 ケア役

市長の言葉に、葉山天が逆らえるはずもない。ただ、久保克明からの引き留めは予想外だった。久保由愛を送り届ければそれで終わりだと思っていたのに、まさか夕食に誘われるとは。……この誘いが、単なる食事会でないことぐらい、天にも痛いほど分かっていた。

泥酔して帰宅した娘。克明は口にこそ出さないが、腹の底では何かを察しているに違いない。

「ありがとうございます、久保さん。では、お言葉に甘えさせていただきます」

天は辞退せず、その誘いに乗った。彼自身、このY市における最高権力者に訊きたいことがあったからだ。

躊躇のない返答に、克明は一瞬虚を突かれたようだった。だがすぐに意味深長な笑みを浮かべ、冗談...

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