第322章 氷解するわだかまり

葉山天は西園寺理菜を見つめ、その精神力の強さに感嘆せざるを得なかった。あれほどの大騒動があった直後だというのに、彼女はすでに冷静さを取り戻している。並の男であれば、こうはいかなかっただろう。

「理菜さん。俺は樹希の恋人の、葉山天といいます」

葉山天は自ら名乗り出た。身分を隠すつもりはない。腹を割って話してもらうには、誠実さが不可欠だからだ。なぜ彼女がこのような道を選んだのか、その真意を知りたかった。先ほどの男との会話を聞く限り、そこに愛情のかけらも存在しないことは明白だった。

花も恥じらう年頃の女性が、五十過ぎの男にその身を捧げる。一体何が、西園寺理菜をそこまで追い詰めたのか。葉山天は...

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