第325章 特殊な恩返し(1)

「何言ってるのよ。一杯ぐらいじゃ酔わないわよ!」

 西園寺樹希の愛らしい頬が、ほんのりと朱に染まる。体に吸い付くような黒のタイトなセーターが、彼女の豊かな胸のラインを完璧に際立たせていた。

「そこまで言うなら止めないけど、後で酔いつぶれても俺を恨むなよ」

 葉山天はそう言って、西園寺樹希のグラスに酒を継ぎ足した。

 本来なら、西園寺理菜は妹に飲酒などさせたくなかった。だが今日は特別な日だ。過去の苦痛に満ちた生活と決別し、人生をリセットする日なのだから。そう思い、彼女は妹の飲酒を黙認することにした。

「葉山天さん、本当にありがとうございます」

 グラスが行き渡ると、西園寺理菜は立ち...

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