第364章 今夜はあなたたち一緒に(1)

高橋玲子は、まさかこんな時に娘の声を聞くことになるとは思わず、一瞬空耳かと思った。だが振り返ると、そこには幻ではなく、本物の娘が立っていた。玲子の目元は瞬く間に涙で滲んだ。朝な夕なと思い焦がれた娘の突然の帰還に、胸が熱くなり、喜びが込み上げてくる。

「お母さん、ただいま」

母の涙を見た瞬間、水原玲子の心は解け、柔らかくなった。わだかまりも不満も、すべてどこかへ吹き飛んでしまった。あの一件――母が葉山天と寝たことさえ、一瞬にして許せてしまったのだ。

高橋玲子は両腕を広げると、幼い頃と同じように娘をしっかりと抱きしめ、何度も背中をさすった。「よく帰ってきたわね、本当によかった……」

万感...

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