第380章 名声を失う(2)

浅野一郎は義兄を恨めしく思ったが、それ以上に全ての元凶である男――葉山天を憎悪していた。浅野とて馬鹿ではない。一目で分かった。裏で糸を引いているのは間違いなく葉山天だ。たかが数人の農民ごときに、あの義兄がこれほど怯えるはずがないのだ。

あり得ない話だ!

梓川山夫は部屋に踏み込んだ瞬間、事態が飲み込めずに立ち尽くした。三峰鳴が自身の義弟である浅野を殴りつけ、あろうことか西園寺成貴に対して平身低頭し、機嫌を取っているではないか。一体どうなっている? 堂々たる副町長が一介の農民の家で謝罪するなど、あまりにも滑稽な光景だった。

さらに奇妙なのは、西園寺成貴が恐縮するどころか、むしろ浅野一郎の振...

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