第384章 葉山天の母

契約書にサインを済ませたことで、ふたりの胸のつかえはすっと軽くなった。

洛神は、葉山天という切り札を得たことで、勝率がぐんと跳ね上がったと感じていた。

あの日、K市で葉山天と初めて顔を合わせてから、彼女はずっと彼の素性を洗っている。調べれば調べるほど、洛神の驚きは増していった。葉山天の身に起きた事柄は、どれも常識外れとしか言いようがなかった。

三年あまりの間に、高校を出たばかりの一青年が、世界に名を轟かせる傭兵へ──。

だが洛神を本当に驚かせたのは、その経歴だけではない。

葉山天は、とにかく博識だった。身につけている技能があまりにも多い。医も武も一流、金を稼ぐ才覚に関しても天性とし...

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