第421章 親友の宿泊(1)

野崎明美は、いわゆる奔放な女と言っていいだろう。

眼鏡にかなった男がいれば自ら積極的にアプローチをかけ、特に気に入った相手ならば、自分からベッドに誘うことさえ厭わない。もっとも、そこまで大胆になる機会はそう多くはない。一目見た瞬間に心臓の鼓動が早鐘を打つような、そんな特別な男に出会わない限りは。

葉山天こそが、まさにその「特別な男」だった。だが皮肉なことに、彼は親友である綾瀬玲奈の男だ。明美は天に惹かれつつも、最後の一線だけは頑なに守り続けていた。

野崎明美は、生まれつきそのような性格だったわけではない。彼女を変えたのは、あまりにも過酷な後天的環境だった。

明美が中学生の頃、父親は若...

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