第64章 凌辱される

ホテルに着いたばかりの葉山天は、桜島春奈からの着信を受けた。彼女が到着したのかと思ったが、受話器の向こうから聞こえてきたのは、桜島春奈の助けを求める悲鳴と、男の下卑た笑い声だった。葉山天の心臓が早鐘を打つ。桜島春奈の身に危険が迫っている——即座にそう直感した。

「桜島院長……ッ!」

葉山天は電話に向かって叫んだが、返ってくるのは桜島春奈の激しい抵抗の音だけだった。何度呼びかけても応答はない。葉山天は通話を切り、すぐさま泉川久守にかけ直した。

「泉川主任、急用で桜島院長を探しています。彼女の自宅の住所を教えていただけませんか!」

泉川久守は笑い声を漏らす。

「おや、どうしました? 桜...

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