第67章 解毒薬

「熱い……熱いよ……」

綾瀬玲奈の体温はぐんぐん上昇し、触れるとまるで高熱を出しているかのようだ。その苦しげな様子を見て、葉山天は慌てて浴室へと駆け込んだ。タオルを濡らし、額に当てて冷やそうとしたのだが——部屋に戻った時、綾瀬玲奈はすでに衣服を脱ぎ捨て、下着一枚の姿になっていた。

あまりに艶めかしい光景に、葉山天の全身の血が沸騰しそうになる。彼は奥歯を噛み締め、努めて彼女を見ないようにした。誘惑に負け、取り返しのつかない過ちを犯すことを恐れたからだ。

綾瀬玲奈はベッドの上で身をよじり、なおも身に着けた最後の下着を引き千切ろうとしている。葉山天は彼女の手首を掴んでそれを制止し、濡れタオル...

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