第7章
山崎絵麻の視点
嵐が激しく打ちつける。雨が窓を叩き、海から雷鳴が轟く。そして、すべてが闇に包まれた。
停電したとき、私はすでにリビングにいた。テーブルの上にあったマッチを手探りで見つける。暖炉に火が灯り、炎が壁に影を落として踊る。
今夜のために用意したピンクのシルクスリップを身につけている。細いストラップ。裾はかろうじて太ももの半ばまで。暖炉の光の中では、すべてが透けて見えるような、そんな一枚。
ラグの上に腰を下ろし、膝を抱える。炎がむき出しの肩を温める。シルクが肌に張り付く。
階段から足音が聞こえる。まずろうそくの光が揺らめき、その向こうに拓也が現れた。
彼は戸口で...
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