第9章

愛理の一件を片付け、警察署を出たのは夜の十時頃だった。

「送っていくよ」

ツカサはそう言って、私のために車のドアを開けた。

私は拒まなかった。卒業式での騒動で、心身ともに疲れ果てていたからだ。アパートに戻り、枕に頭を沈めた瞬間、私は泥のような眠りに落ちた。

翌朝、パンケーキとコーヒーの香りで目が覚めた。

ぼんやりとした頭でふらふらとキッチンへ向かうと、ツカサが朝食を作っていた。ジャケットは脱いでいて、白いワイシャツの袖を肘まで捲り上げている。

「起きたか」

彼は振り向かなかった。

「あと五分だ」

カウンターにはすでにオレンジジュース、フルーツサラダ、そして小皿...

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