第4章
幸之助は虚を突かれたように固まったが、次の瞬間、ローテーブルを蹴り飛ばした。
「離婚したいだと? いいだろう、後悔するなよ!」
通話を切ると、高場幸之助は苛立ち紛れにネクタイを引き剥がした。携帯を床に叩きつけようとした矢先、画面にスケジュールの通知が灯る。
【結婚五周年記念日】
彼はそこで合点がいった。
なんだ、そういうことか。
夫に従順なあの莉世が、離婚などという大それたことを口にするはずがないと思っていたが、まさかこういう魂胆だったとは。
単に彼が記念日を忘れていたからといって、それを口実に騒ぎ立て、過激な手段で気を引こうとしているだけだ。
まったく、つけあ...
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