第6章

「高場社長、越川さん!」

 記者のよく通る声が響き渡った。

「私の知る限り、軽井沢用地の利用権はいまだ係争中のはずですが? それに、最大の債権者が十分前に変わったとの情報も入っております」

 幸之助はマイクを引ったくると、荒々しい声で怒鳴りつけた。

「何をふざけたことを! 悪質な営業妨害だ! 警備員、こいつをつまみ出せ!」

「誹謗中傷かどうかは、ニュースを見ればわかりますよ!」

 記者は高々とスマートフォンを掲げた。

 その言葉が終わらないうちに、宴会場の扉が乱暴に開かれた。

 高場商事の広報部長が、蒼白な顔で壇上へと駆け上がってくる。

「社長! 大変です! スターリンググ...

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