第8章

 記者発表会の後、高場幸之助は連日のように私に付きまとってきた。

 まだ離婚の手続きに決着がついていないこともあり、私は観念して彼との面会に応じることにした。

 目の前の席につくなり、私はスマホを取り出してタイマーをセットする。

「時間は十分だけよ」

 私は冷ややかな視線を彼に向けた。

 幸之助は一瞬呆気にとられたが、すぐに傷ついたような表情を作り、私に手を伸ばそうとする。

「莉世、今まで一体どこに行っていたんだ? 僕がどれだけ君を探したと思っている? ここ数日ずっと……」

 私は露骨に嫌悪を示し、彼の手を避けた。

「その十分間を使って愛情深い夫を演じるつもりなら、今すぐ帰ら...

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