第110章

陸原の祖父は怒りに任せ、手にした紅木の杖を容赦なく陸原凛の背や肩へ叩きつけた。どすっ、と鈍い音が部屋に沈む。

年は食っていても、若い頃に鍛えた身体の芯は残っている。そこへ極限の憤怒が上乗せされれば、一撃ごとに雷のような重さが宿った。

凛は痛みに顔を歪めたが、避けることすらできない。ただ歯を食いしばって受け止めるしかなかった。

祖父の手は容赦がない。それでも凛は、痛みに耐えながらなお不服そうに口を尖らせる。

『お爺さん! どうしていつも、あのよそ者ばかり庇うんだ! 悪いのは、あいつが……』

『まだ口答えするか!』

怒号と同時に、杖がもう一度振り下ろされる。

『よそ者だと? 陸原家...

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