第113章

『このクズ!』

 陸原凛は完全に火がつき、怒鳴り散らした。

『あいつ、陸原グループの機密を宮崎直志に売ったに決まってる! 絶対に許さない!』

 白石キキは、彼の激昂ぶりを眺めながら、瞳の奥に「してやったり」の冷たい光を一瞬だけ走らせた。

 陸原凛はそのまま宮崎グループ本社ビルへ突撃した。受付に止められても聞く耳を持たず、強引に中へ押し入る。

 そして戦略開発部のフロアで、会議を終えて出てきたばかりの林原知世を待ち伏せた。

『林原知世! やってくれるじゃないか!』

 真っ赤に充血した目で睨みつけ、鼻先を指さす。怒りで声が甲高く尖った。

『離婚した途端、宮崎直志の懐に飛び込んだっ...

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