第119章

電話の向こうから、いきなり鼓膜を叩く爆音のミュージック。ざわめきと歓声が渦を巻き、他の音をほとんど飲み込んでいた。

林原知世は眉をひそめ、耳の奥がじんと痛む。反射的に指が通話終了へ伸びる。

だが、その直前。

『もしもし? 兄嫁……じゃ、じゃなくて、林原さん! お、俺です!』

どこか聞き覚えのある男の声。陸原凛の取り巻きの一人だ。金と暇だけはある、どうしようもない遊び人。

林原知世の顔色が変わる。

『凛様が……凛様が泥酔で! こっちで大暴れしてて、吐き散らかして、もう最悪で……! 帰らないって聞かなくて、誰も動かせないんです。ずっと、林原さんの名前を……ぼそぼそ言ってて……その、お...

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