第12章

ほどなくして、警備室に「林原知世さんが人を追い出してほしいと言っている」という連絡が入り、警備員が慌てて扉を開けて病室へ入ってきた。

ところが――陸原凛は椅子から跳ね起きるなり、警備員へ指を突きつけ、林原知世を指さして怒鳴り散らした。

「やっと来たか! 俺は陸原凛だ、祖父の実の孫だぞ! 今すぐこの女を追い出せ!」

居丈高に命令するその態度に、警備員の顔がわずかに曇る。

このフロアを担当してもう十年近い。陸原家の祖父は体が丈夫とは言えず、入退院も多かったが――そのたびに、いつも傍にいたのは林原知世だった。

彼女を追い出せるはずがない。

だが、目の前で目を赤くして喚く男は、陸原家の孫...

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