第120章

クローゼットを開け、彼が言っていた棚を探す。そこには、ふわりと柔らかなバスタオルと、濃い色のシルクのパジャマがきちんと畳まれていた。

それを抱えて浴室の前まで行く。手を上げたものの、なかなかノックできない。

『見つかった?』

中からまた声がした。くすり、と薄い笑みを含んだ声。彼女の気まずさを見透かしているみたいに。

林原知世は意を決し、控えめにコンコンと扉を叩いた。

扉がわずかに開く。むわっとした湯気が押し寄せ、ボディソープのすっと澄んだ香りが鼻先をくすぐった。

節のはっきりした手が、雫をまとったまま差し出される。受け取るのが当然だと言わんばかりに、自然体で。

林原知世は息を止...

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