第133章

林原知世の瞳から、温度がすっと消えた。

神原幸矢という男は、取り立てて何かを成し遂げたわけでもない。家の看板と、陸原凛に取り入って得るおこぼれで生きているだけだ。今ここでわざわざ絡んでくるのも、火の車の『親友』のために前へ出て、存在感を示したい――それだけ。

それに、彼女は耳にしていた。

流産してからというもの、陸原凛と白石キキの間には、微妙な空気が漂い始めたこと。陸原凛は白石キキに対して、どこか恨みがましく、距離を置くようになったこと。

このタイミングで神原幸矢が出てくる。

胸の内は、推して知るべし。

小原念は、何が起きたのか分からないまま相手を見つめていたが、林原知世が理不尽...

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