第16章

陸原凛は車内で、頭が割れそうになっていた。

昨夜は白石キキに耳元で一晩じゅう騒がれ、神経が擦り切れるほどだ。

本当なら、もう少し時間を置いてから陸原のお爺さんと話すつもりだった。だが今は、その考えが揺らいでいる。

林原知世――あの女は毒が深すぎる。陸原を、あんな女の手に落としたまま黙って見ていられるわけがない。

少し考え、陸原凛は顔を上げた。次の瞬間、エンジンをかけ、アクセルを踏み込む。

病棟の建物の入口に着いた途端、内側から護工と秘書らしき女のひそひそ声が聞こえてきた。

「お爺さん、あんなにお体が弱ってるのに、会見だなんて……。『皆に言うんだ』って。『陸原は林原さんに任せる』っ...

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