第25章

宮崎直志は伏し目がちに、彼女の手の甲に当てられたガーゼをそっと押さえながら、すぐには答えなかった。

彼は林原知世の手の甲にふうっと息を吹きかける。長いまつげが目元を影にして、内側で渦巻く感情を隠したまま、声色だけは淡々としていた。

「白石沢人がさ。こっちで面白そうな案件があるって言って、どうしても見に来いって引っ張ってきた」

「ふうん」

指先から走るひりつきに意識を持っていかれ、知世はそれ以上深く考えなかった。

宮崎直志の目に滲む痛ましさにも気づかず、続けて口にする。

「こんなところで会うなんて、偶然ね?」

白石沢人みたいな御曹司は、もともと居場所も予定も定まらない。宮崎直志が...

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