第26章

その見出しを目にした瞬間、林原知世は瞳孔が跳ねた。

慌ててタップすると、記事のサムネイルに映っていたのは――昨日、彼女に難癖をつけてきた、あの太った男だった。

昨夜まで酒の席で喚き散らしていた男は、頭に包帯を巻かれ、二人の警官に挟まれている。肥えた身体はすっかり丸まって、手首には手錠。いつも脂ぎっていた顔は、今や血の気が引いたように真っ白だ。

まるで別人――昨日のあいつと、同じ人物だとは思えない。

「一晩で……」

林原知世は呟いた。信じられない、という色が目の奥に濃く滲む。

昨日の大崎の態度からして、日頃からろくでもないことをしているのは透けて見えた。けれど、ここまで早く崩れると...

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