第47章

白石沢人は視界の端に、林原知世がドアを押して入ってくるのを捉えた。さっきまでだらしなく下がっていた口角が、ぱっと持ち上がる。

すらりとした長い脚で一歩詰め、待ちきれない熱がそのまま声に滲んだ。

「俺の救世主! やっと来てくれた! これ以上遅かったら、宮崎様にしごかれて早期リタイアするところだったわ」

そう言うと、ソファのほうへ大げさに顎をしゃくる。苦笑いが混じった。

「今日のあの人、ほんとどうしちゃったんだか。入ってきた瞬間からずーっと不機嫌そうでさ。何聞いても無言。グラス持って、ひたすら流し込むだけ」

肩をすくめ、さらに愚痴が止まらない。

「飲みすぎだって止めようとしたらさ、今...

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