第61章

林原知世は、ほとんど反射で身をひねって避けた。ギフトボックスはそのまま彼女の腕の中にすとんと収まり、ついでにリボンまできゅっと締め直す。まるで、何か汚らわしいものに触れられるのを嫌がるみたいに。

『離して。近づけないで』

声は淡々としていたのに、視線には露骨な嫌悪が浮かんでいた。

陸原凛の手が宙で止まる。次の瞬間、その顔つきがすっと険しく沈んだ。

林原知世――どういうつもりだ。

俺へのものじゃないのか。

じゃあ、この箱は……。

一瞬で答えに行き当たる。

宮崎直志。あの男しかいない。

名もない怒りが、どっと胸の奥から噴き上がった。陸原凛は一歩踏み出し、歯を食いしばるように低く...

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