第93章

「それで?」

林原知世の声が、ひときわ冷たくなる。

『それで、神原優美とあの母親がさ……兄の態度が本気で固いって分かった途端、まさかの……兄のコーヒーにこっそり何か混ぜたの。兄も警戒はしてたけど、あいつらがそんな卑怯な真似するなんて思わなかったんだと思う。引っかかった。しかも量、結構多い!』

薬を盛った?

林原知世はぎゅっと手を握り込み、腹の底から怒りが噴き上がった。

宮崎家という大樹にしがみつくためなら、神原家はそこまでやるのか。

宮崎直志を、いったい何だと思っている。

『ちょうど私、友だちに会いに行ってて。その子、梅花会所で働いてるんだけど、ちょっとだけ見えたらしくて。おか...

ログインして続きを読む