第96章

林原知世は体を後ろへ預け、椅子の背にもたれた。

何人かの社長に自分で電話をかけ直してみたが、結果は同じ。もっともらしい理由でかわされるか、そもそも出ない。露骨に距離を取られているのが伝わってきて、なおさら「裏がある」と確信した。

正面から探りを入れても無駄だ。

発想を変えなければ。

ふと、以前チャリティーの晩餐会で意気投合した、神原グループの神原様の奥様の顔が浮かぶ。連絡先も交換してあった。

神原奥様はさっぱりした人で、林原知世の物言いのはっきりしたところを気に入ってくれていた。

知世は文面を慎重に整え、奥様にメッセージを送る。午後、お茶でもどうかと。

最近いい茶器を手に入れた...

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