第105章 新しい恨みも古い恨みも一緒に清算する

しん、と一瞬だけ静まり返ったかと思うと、教室は次の瞬間、爆ぜるような騒めきに包まれた。

「ウケる。誰もがあいつみたいだと思ってんの? 見てるだけで汚いんだけど」

「学校も学校だよね。何でも入れりゃいいってもんじゃないでしょ。感染症でも持ってたらどうすんの」

耳を裂くような悪意が波みたいに押し寄せる。

広瀬結月は服の裾を握り締めた指が白くなり、目の縁が赤く滲んだ。それでも、涙だけは落とすまいと歯を食いしばる。

「ち、違う……違うの……」

蚊の鳴くような声は、途切れない囁きにあっさり飲み込まれる。

広瀬結月は助けを求めるように周囲を見回した。けれど、どこにも寄る辺はない。荒波に放り...

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