第124章 君を騙した

小西由希の身体がびくりと震えた。顔を上げ、真理をまっすぐ見据える。瞳の奥に、決意めいた光が走る。

「姉ちゃん、ごめん。俺、騙してた。でも……こうするしかなかったんだ!」

手を伸ばして真理の肩を掴もうとする。だが真理は最初から警戒していた。すっと半身をずらし、その手を空振りさせる。

小西由希は目を見開いた。想定外だったのか、驚きがそのまま表情に張りつく。

「……姉ちゃん、ひとりなの?」

真理は小西由希の手首をがっちり掴み、彼の背後――真っ黒に口を開けた部屋の奥へ視線を走らせた。小西由希よりも、そこに潜むかもしれない「もう一人」を警戒している。

「姉ちゃん、俺が騙した。誰にもいじめら...

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