第147章 学校創立記念日

「お客様」

受付の表情がきゅっと引き締まる。

「どなたであっても、ご予約がない場合はご入館いただけません。これ以上続くようでしたら、警備員をお呼びしてご退館いただきます」

ビルの外で様子を窺っていた平井晴美は、奥歯を噛みしめた。胸の内で悪態が漏れる。

――馬鹿。受付と揉めてどうするのよ。

このままじゃ、せっかくの段取りが全部水の泡だ。

息が詰まり、晴美は反射的に周囲へ視線を走らせる。どう切り抜けるか考えて――そのとき、歩道の端に立つ清楚系の女子が目に入った。スマホを掲げ、カメラをビルの中へ向けている。

晴美は咄嗟に身を引き、柱の陰に隠れる。盗撮している女子を、そっと観察した。

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