第152章

その、懇願にも似た声音に、真理は鼻の奥がつんと痛んだ。力いっぱい頷く。

「……うん。約束する」

そのとき、病室の外から控えめなノックが響き、続いて松下玄の声がした。

「石橋社長、奥様。大学側の責任者の方々がいらしております。奥様に直接お詫びを申し上げたいとのことです」

石橋結翔は眉をひそめた。真理の休息を、誰にも邪魔させたくない――そんな顔だ。

けれど真理はそっと彼の手を握り返し、指先で軽く合図する。

「通して。ちょうど、面と向かってはっきりさせたいことがあるの」

石橋結翔は一瞬、真理を見た。揺らがない眼差しを確かめると、短く頷き、扉の向こうへ声を落とした。

「入ってください...

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