第37章 名実ともに夫婦

菅野真理の頭は、瞬間にして真っ白になった。

次いで頬が、目に見える速度で真っ赤に染まる。今にも血が滴りそうなほどに。

彼女は反射的に手を離し、足元がもつれてふらりと後ずさった。危うく、また滑って転ぶところだった。

石橋結翔のほうも、この突発的な事故は想定外だったのだろう。身体が一瞬で強張り、瞳の色がぞっとするほど深く沈む。荒波のような感情が、その奥で渦を巻いていた。

だが反応は速い。ほとんど本能で、落ちかけたバスタオルを一気に掬い上げ、素早く巻き直す。動きには、珍しく切迫した焦りが滲んだ。

「わ、わたし……わざとじゃないの……」

菅野真理はしどろもどろになり、視線が落ち着きなく宙...

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