第41章 誘導

彼は彼女の悪戯めいた手首を的確に捉え、掌の中へ封じ込める。少し強い力。喉の奥で擦れた声が落ちた。

「ふざけるな」

真理は怯むどころか、ますます調子に乗って顎を上げる。温かな息が彼の喉仏をくすぐり、どこか小狡い声音で囁いた。

「ただマッサージしてあげたかっただけだよ」

石橋結翔の眼差しが、ぐっと暗く沈む。次の瞬間、彼はすっと身を屈めて——笑みを含んだ彼女の唇を攫った。言いかけた言葉も、軽い懲らしめの色も、全部まとめて封じるように。けれど、どうしようもなく甘く、絡みつくキス。

「マッサージ?」

額を押し当て、灼ける息のまま、低く艶のある声で続ける。

「ずいぶん元気だな」

真理は即...

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