第43章 彼を廃人にする

車内には、澄んだ冷たい気配が満ちていた。石橋結翔の纏う匂いと、どこか同じ。

真理は彼の隣に寄り添い、わざと体重をさらに預ける。指先は無意識に、スーツの袖口をくるくるとなぞっていた。

ふと後部座席に視線をやる。丁寧に包まれたギフトボックスが、静かに置かれている。

「……あれは?」

真理は少しだけ身を起こし、興味深そうに指をさした。

石橋結翔は視線の先を一瞥し、「君に」と短く言った。

「またプレゼント?」

驚きと喜びが目に浮かぶ。真理は身体をひねって彼を見上げ、唇の端をいたずらっぽく持ち上げた。腕にほとんど頬が触れそうな距離まで寄り、甘えるように問いかける。

「今日はいきなりどう...

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